週刊水曜日[Hatena Blog]

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中国新聞は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」を社説で支持表明

ブログ担当者さん、こんばんは。お元気でしょうか?
2月になって一つも記事がエントリーされていないので、仕方なく 2008-01-26 の記事にコメントします。

2008年2月10日朝刊の社説「トラブル回避法制化で 中小企業の承継」という題で、中国新聞は「経営承継の円滑化法案(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案)」への支持を表明しましたね。

私は会計士の磯崎哲也さんのブログ[isologue(イソログ)- by 磯崎哲也事務所」を読んでいまして“事業承継税制”についても記事がエントリーされています。
事業承継税制の「拡充」は、日本の競争力を下げる(・・・のではないか)
http://www.tez.com/blog/archives/001081.html
事業承継税制の「拡充」 (その2)
http://www.tez.com/blog/archives/001082.html
事業承継税制---「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」をながめてみる
http://www.tez.com/blog/archives/001095.html
という記事を読んでいるからか私は『中国新聞は単純に支持を表明していいのだろうか?』と思いました。

趣旨としては、私としても賛成したいのですが、運用するに当たって、どれだけの企業・雇用者・地域経済に対して恩恵があるのか? よく分からない状況で安易に賛成していいのでしょうか?

実際に成立したとして、すでにトラブルで揉めている案件に対しては、社説でも指摘しているように、この制度では対応できません。
また、中小企業が申請しようと思ってもコストが掛かるようでは申請自体が少なくなります。
だからといって、多くの申請を受け付けるとするとチェックする側の体制を強化しなければならないでしょう。
チェックするのは面倒だと簡略化してしまったら、問題のある企業をも存続させてしまい、ただ企業オーナーの節税対策だけになり、雇用者・地域経済に対して益になるどころか害になるかもしれません。


初出:中国新聞「朝刊探索」2008-01-26 へのコメント(2008-02-13 00:16)